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「 小説(オリジナル) 」
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 私はいつの日か怪獣小説を書こうということで、張り切っていた時期があった。内容は高校のバドミントン部に所属する少年が主人公で、彼とその親友がバドミントンの練習マッチをしている場面から始まる。しかし、根性はあるが体力が無い。時期は真夏。体育館の室温はグングン上昇。耐え切れず主人公の少年は、体育館裏で戻しながら、気を失ってしまう。介抱する親友をよそに、他の部員は「ゲロッキー野郎」と汚い言葉で陰口を叩く。そんな主人公は、ある怪獣に憧れていた。ゴジラだ。圧倒的な強さを誇る怪獣に、憧れを抱いていた。その信仰ぶりは計り知れず、暇さえあれば「ゴジラ大全集」という日焼けした古書(舞台設定は2020年なので)を取り出し、飽きずに読んでいた。彼は夢を見た。気を失っているうちに夢を見た。それは自分が大きな大きな怪獣、もしくはゴジラそのもののような存在になっており、自らの意思とは関係なしに街を壊している夢。熱戦を吐き出し、人間、建物、木々を赤く包み込む。本人は心の中で「嫌だ、嫌だ」と叫ぶ。しかし、自分の口からは咆哮しか出ず、相変わらず闊歩している、という夢。やがて気がつき、目を覚ます。安堵する親友。親友は主人公の少年を笑いながら支えて、一緒に体育館を後にする。ふと、外には夕焼けが。ぼんやりと主人公は見つめる。先ほど見た自分の夢に戸惑いながら、「怪獣になれば、今の弱い自分を変えられると思う僕は馬鹿?」と思う。

 とりあえず、ここまで書いて諦めた。結局は、夢で見たことが現実になり、人間に戻ったところで政府に捕まり、研究という名目でヤク漬けにされ狂乱していたところを親友に助けられ、いつまで続くか分からない逃亡に身を投じる。という感じで、展開させていく予定だった。でもあまりにも救いようの無いストーリーだったので、書くのが辛かったのです。これ以来、怪獣は封印。今日に至る。が、今日に至ったとところでまた書きたくなった。近未来的なSFファンタジーみたいなもの。近未来という要素を除けば、ゲド戦記みたいな内容になりそうなのが怖いところ。かつ“ピノキオ”みたいな、みたいな。内容は、言ってしまおうか。どうせ書けないかも知れない。いや、書いたとしても映画のあらすじのようなもの。アッと驚く展開が無いのが私の小説の特徴。…気を取り直して、書いてしまうことにしよう。

 主人公はある政府直属の特殊部隊に所属する少年。トウキョウを舞台に、アンノウンと呼ばれる正体不明の異形と戦っていた。若くして隊長クラスの地位に就く彼には、任務時には欠かすことの出来ない相棒がいた。少年から「ルカ」と呼ばれるそれは、蒼く太い首に、真っ赤な瞳に鋭く伸びている牙。がっちりとした胴と足。地平線まで延びんとする無数の棘の生えた尾。おまけに小さな街の空を支配する漆黒の両翼の外見をした怪獣だった。少年はルカの背中に乗り、“彼”に指示を出しながら、異形と戦っていた。でもルカは優しかった。優しい怪獣だった。いつも彼は少年の心に訴えるのだ。「僕は戦いたくない。奴らは確かに悪い連中だ。でも、でもね、奴らは自分たちのやっていることが悪いことだとは知らない、可愛そうな連中なだけかもしれない」

 少年は言う。「奴らはな、ルカ。私たち人間を殺していることに変わりないんだ。生を奪う行為に、相手が悪いことだなんて知らないといっても、それは絶対に許されることではないんだよ?」と。

 ルカは言う。「じゃあ、僕を人間にして。僕も人間を殺してるんだよ? 僕が暴れるたびに避難し切れなかった人間が巻き添えを喰らう。人間にして。人間を殺す行為が許されないことなのならば。僕を人間にして。人間になれば、君と背中合わせで指示の確認をするだけで二人で戦える。僕は君の右腕なり、奴隷なり、何だってなるから……お願い」

 ルカは首をひねって、背中に乗る少年を見つめた。少年は彼の固く乾燥した背中を撫でながら微笑む。
「いいよ。けどもうちょっと待っててな。何度も言っているけど、まだ“完成”してないんだ」
 ルカは残念そうに目を伏せると、熱戦を吐くために翼を白く光らせる。それが街のどれくらいを燃やし尽くすのを理解し、覚悟したかのように。







 みたいななー♪ もし、この上記の内容の小説が書けたら暫くの間、会社の仕事が上手くいきそうだ(笑)。期待しないで待っていて欲しいです。

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