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「 第85回キネマ旬報ベストテン結果&予想答え合わせ 」
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 本日、13時にキネマ旬報のベストテンが発表されたので、先日に予想した私のベストテンの答え合わせをしつつ、称賛と批判が入り混じった感想を書いていきたいと思います。
 では、早速ではありますが、一気に解答をしていきますね。


 【2011年日本映画ベスト・テン】(結果)

 ()内は筆者の作品評価を示す星取り。最高で★5つ。

第1位:「 一枚のハガキ」(★★★★★)
第2位:「大鹿村騒動記」(★★★★★)
第3位:「冷たい熱帯魚」(★★★★★)
第4位:「まほろ駅前多田便利軒」(★★★★★)
第5位:八日目の蝉」(★★★★★)
第6位:「サウダーヂ」(★★★★★)
第7位:「東京公園」(★★★★★)
第7位:「モテキ」(星無し)
第9位:「マイ・バック・ページ」(★★)
第10位:「探偵はBARにいる」(★★)
※第7位は同率順位。

 【日本映画・個人賞】(結果)

日本映画監督賞:園子温「冷たい熱帯魚」「恋の罪」
日本映画脚本賞:荒井晴彦、阪本順治「大鹿村騒動記」
主演女優賞:永作博美「八日目の蝉」
主演男優賞:原田芳雄「大鹿村騒動記」
助演男優賞:でんでん「冷たい熱帯魚」
助演女優賞:小池栄子「八日目の蝉」「RAILWAIS 愛を伝えられない大人たちへ」
新人女優賞:忽那汐里「少女たちの羅針盤」「マイ・バック・ページ」
新人男優賞:松坂桃李「アントキノイノチ」「僕たちは世界を変えることができない」


 【2011年日本映画ベスト・テン】(私の予想)

 ◎=順位と作品名、個人賞の一致 〇=作品名のみの一致 ×=不一致

第1位:「一枚のハガキ」◎
第2位:「マイ・バック・ページ」〇
第3位:「大鹿村騒動記」〇
第4位:「奇跡」×
第5位:「東京公園」〇
第6位:「冷たい熱帯魚」〇
第7位:「八日目の蝉」〇
第8位:「サウダーヂ」〇
第9位:「ダンシング・チャップリン」×
第10位:「少女たちの羅針盤」×

 【日本映画・個人賞】(私の予想)

監督賞: 新藤兼人 ×
脚本賞: 向井康介 ×
主演男優賞: 妻夫木聡 ×
主演女優賞: 大竹しのぶ ×
助演男優賞: でんでん ◎
助演女優賞: 大楠道代 ×
新人男優賞: 森岡龍 ×
新人女優賞: 忽那汐里 ◎

 【2011年外国映画ベスト・テン】

 ()内は筆者の作品評価を示す星取り。最高で★5つ。

第1位:「ゴーストライター」(★★★★★)
第2位:「ソーシャル・ネットワーク」(★★★★★)
第3位:「英国王のスピーチ](★★★★★)
第4位:「無言歌」(★)
第5位:「ブラック・スワン」(★★★★★)
第6位:「マネーボール」(★★★★)
第7位:「トゥルー・グリット」(★★★★)
第8位:「ヒア アフター」(★★★★★)
第9位:「灼熱の魂」(★★)
第10位:「家族の庭」(★★★)

外国映画監督賞:王兵(ワン・ビン)「無言歌」

 【2011年外国映画ベスト・テン】(私の予想)

 ◎=順位と作品名、個人賞の一致 〇=作品名のみの一致 ×=不一致

第1位:「英国王のスピーチ」〇
第2位:「ゴーストライター」〇
第3位:「ブラック・スワン」〇
第4位:「ソーシャル・ネットワーク」〇
第5位:「エッセンシャル・キリング」×
第6位:「トゥルー・グリット」〇
第7位:「ヒア アフター」〇
第8位:「無言歌」〇
第9位:「BIUTIFUL ビューティフル」×
第10位:「蜂蜜」×

監督賞:ダーレン・アロノフスキー ×

【2011年度のキネ旬ベスト・テンを振り返って】

 まずは日本映画。第10位の「探偵はBARにいる」や第7位の「モテキ」(星取り評価を見れば分かる通り、私はこの作品は大嫌い)のランクインに驚きを隠せない、と同時に正直、例年には無いラインナップであることに間違いないといえる。第4位の「まほろ~」も意外。映画評論家の大高宏雄氏によれば、本年度の選者の数が例年より多い為、奇妙なバランスを保つことになったと触れている。勿論、数も増えれば、世代も広がる。若い選者も中には沢山いるだろう。保守的なキネ旬のベストテンとは思えない、実にカラフルな作品群である。第3位の「冷たい熱帯魚」もこんなに上位とは考えられなかった。恐らくレイティングが定められてからのR-18指定映画ではキネ旬史上最高位では無かろうか。近年ではアン・リー監督の「ラスト、コーション」(08年度)が思い当たるが、第4位であった。しかも「冷たい熱帯魚」は血肉飛び散る暴力描写が売りの過激な映画である。確かに公開当時は、批評家受けもまずまずだったが、キネ旬ベストテンでベスト3に喰い込むとは、夢にも思わなかったし、想像もし難いものであった。
 しかし、第1位の「一枚のハガキ」第2位の「大鹿村騒動記」のワン・ツーは、まさしく"キネ旬らしい"順当な並びである。奇妙で、なかば滑稽な均衡だ。今までの慣例を見事に打ち破ったようで、最後の牙城は崩せてはいない。だが言うまでも無く、変革が起こったという事実は見過ごせないのだ。
 予想結果は「一枚のハガキ」の完全一致を含めた、11本中7本の作品名的中。個人賞は散々。2部門しか的中が出来なかったのは悔しい。

 外国映画は、何はともあれ「ゴーストライター」のベスト1は本当に嬉しい。キネ旬本誌のレビュー欄でもかなりの高評価だったが、他の話題作に比べれば全体的な扱いが小さく、ポランスキーの新作といえども、1位に押し上げる様な要因が少ないと思えただけに喜ばしい誤算だ。第2位、第3位はアカデミーのビッグ・ツーである。順位的に見ると本家とは逆の結果。私含めた、現世代の若者が夢中になっているコンテンツに対する理解力を伴わせた諸氏が大勢存在した、と捉えるべきなのだろうか。そうなると、つくづく、米アカデミーが目に見えない古臭さに囚われているかがよく分かる。と、言い切ってしまうのは私の駄目で、無知なところ。
 しかし、ワン・ビン監督の「無言歌」の第4位選出は衝撃的。私はこの監督の作品は本作が初めてだが、思うに"テーマが良ければ、映画のテクニックは無視しても良いよね?"という妥協が見られた。同じキャメラアングルの繰り返しは、問題提起にも成らないし、訴えにもならない。何処をどう目を凝らせば、高評価に繋がるのか、是非私にも教えて頂きたい。"ドキュメンタリーの巨匠が初めて描くドラマ"という箔はそんなに豪奢に見えるのだろうか。私は「無言歌」に対しては読者選出ではベスト30にも入らない作品と踏んでいる。が、全ての結果と決着はもう少し先になるのだ。
 ちなみにイエジー・スコリモフスキ監督の「エッセンシャル・キリング」の選外には素直にビックリ。「アンナと過ごした4日間」は何だったのか。まぁ、あの時は"スコリモフスキの復帰作"という箔が付いていたのでした。
 予想結果は作品名の一致が10本中7本と、まずまずな内容。ユスフ3部作の「蜂蜜」といった変化球も投じたが、ものの見事に「灼熱の魂」「家族の庭」の倍返しで迎撃されましたとさ。

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