DARESIA賞・上半期BEST10
対象作品:08年1月1日から08年6月末までに鑑賞した新作映画99本のうち、ゴズィラ星取り方式で五つ星を獲得した40本。
08年上半期・邦画ベスト10
第1位:「ぐるりのこと。」
第2位:「アフタースクール」
第3位:「パーク アンド ラブホテル」
第4位:「休暇」
第5位:「接吻」
第6位:「ザ・マジックアワー」
第7位:「チェスト!」
第8位:「結婚しようよ」
第9位:「人のセックスを笑うな」
第10位:「ONE PIECE THE MOVIE エピソード オブ チョッパー+冬に咲く、奇跡の桜」
【邦画:総評】
・ラブホテルだの、接吻だの、セックスだの、一見すると如何わしいようなタイトルも混在する、色物具合を発揮しております。が、しかしどれも一貫としているテーマ性が見受けられ圧巻させられます。ずばり上半期邦画ベスト10を漢字一文字で表すなら「愛」で決まり。人間誰しも、愛を求め、愛を受けている。「ぐるりのこと。」は夫婦愛を優しく見つめ、「アフタースクール」では純然たる友情にひれ伏し、「パーク~」では、ホテルオーナーが知らず知らずのうちに周りに愛情を示していることに気付かされる。屈託した世の中だけれど、何故に今年の邦画はこんなにまで温かい情感に溢れているのだろうか。まさかの掘り出し物だった、第10位のアニメ映画を含め、次点の映画まで隙が無い。
08年上半期・洋画ベスト10
第1位:「ノーカントリー」
第2位:「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」
第3位:「イースタン・プロミス」
第4位:「つぐない」
第5位:「ラスト、コーション」
第6位:「さよなら。いつかわかること」
第7位:「告発のとき」
第8位:「残酷な出勤」
第9位:「悲しみが乾くまで」
第10位:「ヒトラーの贋札」
【洋画:総評】
・転じて、上半期洋画は漢字一文字で表すなら「暗」。とにかく今の世相をそのまま反映している作品が大多数を占める洋画群。第1位は現代アメリカで蔓延する暴力を寓話的に描き、第2位は人間の欲望がどす黒く渦巻く。第3位はロシアンマフィアの冷徹な眼差しに心奪われ、第4位では一つの嘘が人生を狂わしていた。製作者側全般に感じられる、観客への冷え切った眼差し。モラルも、それで成り立つ日常生活も、腐りつつある今日だからこそ、観るべき映画が沢山あることを突きつけられました。第7位のような映画まで出てくる始末だからね。ベスト10内だけでも、R指定作品3本・PG指定作品4本が蠢く非常事態。どう受け止めようか。
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