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「 「優しい希望」と書いて……。 」
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 ボクは2年以上、新作を発表していない、というのは、前日の日記にも書いた通り。
 しかし、そんな閉塞された状況から抜け出す、というのは周囲から見ればほんの些細な、しかし当事者にとってはとてつもない大事件が起これば実は余りにも容易いことなのだ。
 そんな、大事件が、先日起こった。

 カリートさんのブログサイト「Bottle Ship」にて(http://bin-bune.jugem.jp/?eid=684)、「パワプロ小説礼賛」という批評記事の第7回目に、ボクが5年以上前に書き上げ捨てた、掌編小説「バンダナ」が取り上げられていたのだ。 ボクがどんなに震え喜び、また「バンダナ」を書いた当時、どんな心境だったかは、カリートさんの当該日記のコメント欄を見て頂ければ分かるかと思う。正直、今の今でも、頭ン中は真っ白だ。

 なぜ、行き成りこんな単発的な記事を書いているかというと、メールアドレスを知らないカリートさんに、この場で御礼が言いたいのです。ボクが、ボクの成り行き任せな判断で、作品を捨て去ったのにも関わらず、其れをヒョイッと拾い上げ、今日まで大事に大事に愛撫してくださったこと。そして、作品のデータすら残っていないボクに、「バンダナ」の本文を提供してくださったこと(極端に言ってしまえば、所有権はカリートさんに移行していてもおかしくないのに)。

 本当に、ここ最近、カリート親分にはお世話になりっ放しで、いやはや不思議な浮遊感に見舞われている気分です。ボクの中で何かが吹っ切れました。吹っ切れた、というのはボクが抱いていた「六本木優希」という、男に対しての捉え方。「鬼がいる!」のようなロクも良いのですが、アレではあまりにも作者の独善が走り過ぎているのではないか。いや決して悪くは無いと思うが。しかし、「六本木優希」は、やはり「バンダナ」の世界が似合っているし、必然とされているのではないだろうか。

 じゃあ、たまには地獄で堂々巡りするよりかは、ノッキン・オン・ヘヴンズ・ドアするのも一興(それもヤバイ気が)。カリートさん、重ね重ねですが本当に有難うございました。目指すべき場所が、決まりました、やっと。
 尤も、それに気付くのにも4年以上を有しましたが。かなりの廻り道でした。

 さっそく、季節はずれの蚊と格闘しながら、構想と執筆に挑もうかな。

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