2003年12月1日に小説サイト
「海の見える高台の家」を開設されたFourRamiさん。最初はスマブラ等の任天堂の二次創作を描かれていました。しかし、やがてラーメン店を扱ったオリジナル小説を発表するなど、精力的に幅を広げていかれます。そして現在までに公開されている作品は未完結・詩・公開打ち切りを含めると二十数作にも及びます。
質も良ければ数も良し。その質、内容ですが、非常に彼独特の表現が作品の中に見られます。それは説明的な地の文。 私のサイトで大絶賛連載中の時代劇小説【雨露】の中で“火事場の馬鹿力”を現代的な例えで説明していたのが妙に記憶に残っています。正直、私は最初、このような表現はあまり好きになれなかったのです。何かリズムを崩されているというか、ぐいぐい惹き込まれているのに、FourRamiさん自身が台無しにしているのではないかと思い、首を傾げてしまったのです。しかし、この表現に私は結構、助けられているのです。その時になるまで気が付きませんでしたが、実はラミさんの真面目で読み手のことをよく考えながら、丁寧に作品を作れるからできる表現なのだと。やはりどんな小説であれ、読んでいて「あれ、ここってどういう意味なのか?」と疑問符を持ったまま、ギクシャクした気分で読み進められてしまう部分があります。無駄に難しい日本語を多用している作品ならば尚更です。しかしラミさんの作品に、今までそういった気分を味わってしまったことは無かったんじゃないかな…。怪しいと思った部分には速攻、ツボを突いたような補足が加わるので私は安心して時代劇を読んでいられることに、愚かなことですが気付いてもいなかったのです。あぁ恥ずかしい。私はますます好きになりました、ラミさんの作品が。
ラミさんのオリジナル作品を語る上で、もう一つ忘れてはいけない小説、いやそれはシリーズと呼んだ方が失礼ではない筈。ラミさんの看板キャラクターであるラクさんが出ている【乳白色の靄の中で】と【紅い瞳】です。これは理屈抜きで見て欲しい。ラクさんの軽妙さが微笑ましいくらいマッチしているのであります。ただし、後者の紅い瞳に至ってはノワールな香りがするうえ、ラクさんが「こえー!」のでうろたえない様に(笑)。彼の作品は多いので、どれから読もうか悩んでいるFourRami入門者にはこの二作品がお勧めです。無論、二次創作も充実しております。私のお気に入りは最近に発表された【LOVE or LIKE ?】。とにかく走る、走る! 中盤の八嶋追走シーンはおっそろしく燃えました。最後も実にパワプロらしい、爽やかな演出になっており満足であります。私が選ぶパワプロSS十選(何ソレ)の中に加えたい作品です。
幅広い作品を書き続けるFourRamiさん。彼の温かみのある作風に数多くのSSファンを唸らせてきました。「海家」名物、小説コンクール・一筆夢想も現在第18回目が敢行されています。全投稿作品は間もなく前人未到の100作になろうとしています。ここまで発展したのも、FourRamiさんの作品があってからなのでしょう。本当に素晴らしいです。これからのラミさんの活躍に期待したいです。
ゴズィラ的紹介:FourRamiさん
・2003年12月1日、小説サイト「海の見える高台の家」を開設。運営も現在4年目突入の老舗サイトとして数多くのSS書きに影響を及ぼしている。2004年春に小説コンクール「一筆夢想」の第一回を開催。たったの一作品の応募だったが、同年秋開催した第四回目より一気に応募作が増え、確実に回数を重ねてゆく。2007年2月現在、第18回目を開催中。自身も、オリジナル小説・パワプロSSを中心に二十数作にも及ぶ作品を発表しており、高い評価を得ている。登場人物の細かい心理描写、丁寧な説明的文章が特徴。初心者から玄人まで、誰でもが楽しめる作品が充実している。最新作に【彼女はエースナンバー】(パワプロSS)がある。おもな作品に「雨露」「奪翼」「乳白色の靄の中で」「紅い瞳」「友と、男の背中」「LOVE or LIKE ?」など。[0回]
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